2号警備業界では、交通誘導警備や雑踏警備などの屋外の警備業務が主な現場となりますが、夏のような暑い日にこのような現場に長時間立っていることになると熱中症のリスクが高まります。実際、厚生労働省は2022年5月29日、2022年中に全国の職場で発生した熱中症の状況(確定値)を公表し、全産業計の死傷者数(死亡者数と休業4日以上の合計)は前年比266人増の827人と大幅増となっております。そのうち死亡者数は10人増の30人であり、警備業は、死亡者数が同5人増の6人、死傷者数は同23人増の91人という数になります。
交通誘導員を派遣する会社の多くは、スタッフの熱中症を未然に防ぐため、現場でさまざまな熱中症対策を行っています。塩分や水分を効果的に補給することができる飲食物や冷感グッズの配付のほか、着用する制服にも熱中症対策が施されているものもあります。
今回は、2号警備業界の現場に切っても切れない関係にある熱中症に関して、症状、気を付けること、症状にかかってしまったらについてご紹介いたします。
熱中症の症状
熱中症とは、気温や湿度が高い場所にいるうちに体温が上がり、体内の水分や塩分のバランスが崩れたり体温の調節機能が働かなくなったりして、以下のような、命を落とす可能性もあるさまざまな症状を引き起こす病気です。重度の熱中症は命にかかわるため十分な注意が必要です。
症状の例)体のだるさ、吐き気、筋肉痛、筋肉のけいれん、異常な汗のかきかた、水分補給ができない、まともに歩けない …etc
どんなことに気を付けるべきか?
- 日の当たる場所をできるだけ避ける
2号警備業務では、同じ場所に長時間立っていなければならない現場業務が多いと思います。しかし、直射日光がある場合に長時間立って警備業務をすれば高確率で熱中症になってしまいます。そのため、電柱などの小さな影でもいいのでできるだけ日の当たらない場所を選んで立つようにしましょう。 - こまめに塩分・水分補給をする
「のどが渇いた」と感じるときに水分補給してしまう方が多いと思われますが、そのタイミングで水分補給してしまうと、すでに脱水状態になっていることも多いため、水を飲みたいと思う前に意識して水分補給することを心がけましょう。一度に大量の水を摂取するとかえって体に良くないので、10分から15分おきくらいに補給すると丁度いいです。また、一緒に塩分補給をすると効果が抜群です。 - 体に熱をため込まない
ヘルメット、安全靴、作業服は、体に熱をため込んでしまうため、熱中症の原因となります。休憩時には、それらをできる限り脱いで、熱を逃がしておきましょう。
熱中症になってしまったら...
もし熱中症にメンバーがかかってしまったら、直ちに日陰のある場所に移動し水分補給させ、体にこもっている熱を逃すように促しましょう。様子をみて、症状に変化がない場合は急いで病院に搬送しましょう。
まとめ
夏場の2号警備業務は、熱中症になる可能性が高いため、こまめに水分補給をするなどして、対策を万全にしていきましょう。また、体調が少しでも悪いと感じたら周囲のメンバーに事前に相談できる職場環境づくりも忘れないようにすることが大切です。